谷川岳:西黒尾根ルート日帰り登山

 

2020年11月23日(月)

 

勤労感謝の日の三連休最終日

午後7時に那須の家で夕食を摂った。

荷造りは終わっていたが、雪山に挑むことを考えると、最後に一風呂浴びてから出発したい。だが晩秋と呼ぶには遅すぎる冷たい外気のおかげで風呂の準備が遅くなってしまった。

父の位牌に線香を上げてから、少しの間テレビをぼんやり眺めていると背後で風呂が沸いた音が聞こえた。

出発は午後8:15になった。

僕は母に別れを告げて、車に乗り込んだ。

漆黒の夜かと思えば、道の両側にそびえる木々の鋒の向こうには紺碧の空が見えた。月夜である。

今回日帰りアタックを試みる行先の谷川岳の麓の天気は雨ということだが、那須の雲ひとつ無い夜空を見ていると、なまじそれが信じ難かった。

那須塩原から矢板まで南下すると、僕は30号線から461号線に右折した。

玉生から大渡を通過し、いよいよ「日光」の文字が見えてきた。そのまま進めば今市に至り、そこからさらに右折すれば247号線に合流し、真っ直ぐ進めば日光東照宮の目の前に出る。

 

122号線に乗り換えて南下すると、足尾銅山で有名な足尾を通ることになった。

それから桐生をかすめて水沼より手前で右折して山道に突入した。

今度は根利から沼田に到達すれば、すでに赤城山を東側から半分周回して越えたことになる。

そこから再び山道をひた走って上牧を通過すると、いずれ水上に出る。

そこから先、上越線の高架を右手に見ながら利根川を上流に向かって登り返せば、土合という駅に行き着く。

その先に天神平へのロープウェイがあり、目指す駐車場はその手前500mほどだ。

僕はGoogle Mapに導かれるに任せて、駐車場などなさそうな場所を右折すると、目的地が現れた。

白毛門登山口駐車場だ。じつは目的の西黒尾根の登山道はまだ上なのだが、道自体が通行止めでマイカーは通れないようになっているから、ここが登山口に最も近い駐車場だ。

ここまで那須から4時間かかった。仮に高速道路を使ったとしても結果は同じだった。

車のヘッドライトが照らし出したのは、広大な敷地だった。

砂利の駐車場だったが50台以上停められそうな規模だ。

先着のハイエースが奥の方に停まっていた。

明かりは点いていない。時計を見れば12:15分だ。もう寝ているのだろう。

外に出ると、しとしとと雨が降っていた。

沼田を過ぎたあたりから夜空が見えず真っ暗な闇夜だったため、雲に覆われていることは想像できた。

そして気温は2℃だった。明け方には零度まで落ちる見込みだ。

 

つまり標高の高い山のほうは今夜雪が降っていることになる。

僕は後ろのハッチを開けてクーラーボックスからビールとつまみを取り出した。

ビールを飲みながら、パンやおにぎりなどを食べてカーボローディングを始める。

 

靴からサンダルに履き替えてリラックスしようと試みるが、枯れ葉が積もった地面はぬかるんだ場所もあり、少しソックスが濡れてしまった。雨に濡れて体が冷えることは避けねばならない。

僕は窮屈だが車中で過ごすことを決めた。

そしてダッフルバッグから一枚プライマロフトのアウターを取り出して羽織った。

車中はすぐに暖かくなった。那須で膨らませておいたスリーピング・マットの上にダウンの寝袋を広げて、iPhone 12 miniでSNSなど少しやってから寝ることにした。

時刻は1時30分だった。5時間後に起床して、いよいよ谷川岳の登山に向かう。

 

翌朝

少し離れたところで車のエンジンがかかる音がして目が覚めた。

外はすでに明るい。携帯を見るとあと30分でアラームが鳴ることになっている。

今は朝6時だ。

窓から外を覗いてみると、奥のハイエースのテールランプが点いていた。しばらくするとその車は走り去っていった。ここで寝泊まりだけしたようだ。

僕は早めに起きてカーボローディングをしておこうかと思い、起きることにした。

ドアを開けてサンダルを地面に置いて外に出てみると、枯れ葉や砂利は水浸しだったが、雨はもう止んでいる。

すぐに相当冷え込んだのを肌に感じた。

駐車場から奥の渓谷の先には朝日岳が見えた。山の中腹から上は真っ白な雪化粧だった。谷川岳も同じ状態だろう。

 

僕はバナナとアンパン、その他惣菜パンをどんどん口に運んだ。

昨夜のうちに荷造りは完了していたので、あとは衣服のレイヤーを着て登山靴に履き替えれば出発できる。

そして大きく深呼吸をして、7時前にいよいよ出発した。

まず、西黒尾根登山口までは1.5kmほど車道を歩いていかねばならない。

 

ロープウェイの駅を通過し、さらに進むと、車道自体が車両通行止めとなり、登山者のみが入れるようになっていた。

ちょうどその脇には登山指導センターという建物があり、登山届を提出することになっている。

そこから500mも行けば、西黒登山口だ。

 

 

西黒尾根:登山口

入り口は狭く、そしていきなり急登が始まった。

おまけに昨日の雨のせいか、登山道はぬかるんでいる。靴が濡れてしまうと雪で冷えてリスクが高まるため、それは避けたい。

 

僕は岩と木の根をうまく使って移動してみた。しかし、登山道自体が川になっているような状況は避けることを困難にさせた。

この水量から察するに、どうやら昨日の雨だけでなく、上の方の雪解け水が流れ込んできている。

細く急な登山道を登るうちに、ブーツの先の方に水が染みてきたのがわかった。

今年使い倒したMerrellのGore-Texは摩耗のためか効果が薄れてきてしまっている。

登山口から入って30分もすると、地面にうっすらと雪が見え始めた。

 

標高が上がるにつれて、塵のような雪から粒のようなそれに変わっていった。

標高1300mまで来ると、尾根道の左右の視界を遮っていた樹林が薄くなっていき、左側の奥には天神平スキー場のゴンドラの駅が見えてきた。

さっき通過したロープウェイの駅の終点だ。普通の登山者はまずロープウェイで天神平まで上がって、頂上を目指すらしい。

 

きつい勾配の登山道のため、標高が一気に上るにつれ、みるみる雪が道を隠してゆく。

雪道になった登山道にはいくつかの足跡が見える。昨日か今朝か、先を行く人がいたようだ。

 

1400mに到達する頃には左右の樹林は無くなり、岩場が増えてきた。道の様子は左右が切り立った尾根道の姿をしていた。岩と雪と氷の登山道には集中力を要求する。

 

一つ一つ、パッセージをこなしてゆく。

鎖も頻繁に登場するようになり、岩と雪の道は壁のような角度に変わってきた。

ここで僕はアイゼンを装着した。簡易なものではなく、歯の数14本で長さのあるしっかりとしたものだ。

 

雪を掴み、岩には歯を立てるようにじっくり登ってゆく。

 

振り返ると朝日岳や尾瀬近辺の山々が見えて、雪化粧が美しかった。

そして前方左側には目指す谷川岳が一際雪を被って堂々と聳えている。

 

1510mで標識に行き着いた。

ここまでの切り立ったセクションは「ラクダの背」と呼ばれる危険地帯だったようだ。

 

 

ここから先も急登が続くが、危険な岩場はなさそうだ。

ただし雪は深くなり、登山ルートを見失いやすい。

 

僕は先頭を行った足跡をトレースしながら進んだ。

何度か、足跡が少し先で消えていることもあった。

それは先だって進んだ登山者がルートを間違えた跡だった。

 

そして、足跡をトレースしていると、いつの間にか明らかにルートでないところに行きつき、遠回りをしてルートに復帰するというのも何度もあった。

 

深い雪道は続く。

1700m、1800mになると、新しいパウダースノーがルートの全てを埋めてしまっていた。

 

 

ついさっきまで、つまり明け方まで雪が降っていたのだろう。

僕はラッセルとルート探しを繰り返しながらも、ペースを早めにキープして進んだ。

 

そして1900mに到達した。

視界に広がる比較的平らな道になると、標識が見えてきた。

 

今来た道の方向にむけて西黒尾根と書いてあり、逆側には山頂、そして奥側には谷川岳肩の小屋となっていた。

もちろん山頂を目指す。

ここから先は難しい場所はない。

そして、10分も歩くと、トマの耳に着いた。

振り返ると関東平野が一望できた。いや、赤城山や富士山までははっきりと見える。

 

景色は最高だ。晴れた真っ青な空に白い稜線が綺麗なコントラストを描いている。

 

 

次に、300mほど離れた山頂を目指す。

谷川岳の最高地点「オキノ耳」だ。

谷川岳の頂上は標高1977mだった。

僕の誕生年と同じである。

 

 

鋭利に尖ったトマの耳を視界に入れつつ、その奥には水上と北関東の平野、赤城山、妙義山、八ヶ岳、富士山、南アルプスまで見える。

 

背後に振り向けば、一ノ倉岳と茂倉岳がルートの遥か先に見えている。そしてその左のずっと奥には日本海が見えた。

 

頂上で少し休憩してから、僕はさらに先を目指した。

そこから先は完全なパウダースノーの新雪に覆われていた。誰も踏み入った形跡がない。

 

ラッセルをしながら進むと、「富士浅間神社奥の院」と書かれた鳥居が見えてきた。

 

お辞儀をしてくぐると、その先に小さな石造りの社があった。

 

僕は参拝することにした。薄手のグローブから冷えた手を引き抜いて、携帯財布からお賽銭を取り出して、社の手前に納めた。他にはワンカップの日本酒が置いてあった。

そこから先は100mほどラッセルと繰り返して進んでみたが、登山道を知らないものだから、ルートの予想がつきにくい。

 

谷川岳の山頂付近の広がりのある登山道と違って、ここはナイフエッジのように狭くなってきている。

 

今いる場所の東側には一ノ倉沢から登るハイレベルなクライミングのルートがある。

そこで800人を超える多くの死傷者が出ているため、谷川岳をして「魔の山」と呼ばしめた悪名高い場所だ。

時計を見ると、11時近くになっていた。今日は東京まで帰るために時間をとっておきたいため、今回はここまでとして谷川岳肩の小屋まで行き、昼食にしようと決めた。

 

来た道を戻ってゆくと、天神平から登ってきた登山者数人に出会った。

 

肩の小屋に着くと、僕は近くのベンチに荷物を下ろした。

そしてザックからコッヘルとガスを取り出して、早速湯を沸かす準備をした。

これだけ新雪があれば下から水を持ってくる必要はなかったかもしれない。

 

小屋の向こう側には登山道が続いている。

群馬県境のそびえる山々をトラバースする100kmのルート「ぐんま県境稜線トレイル」へと続く道だ。

今回車を停めた白毛門から始まり、朝日岳から茂倉岳の方にぐるりと遠回りして谷川岳に至り、そこからもう一つの百名山である四阿屋山まで歩く日本最長のトレイルだという。

 

谷川岳から行けば、小屋の向こうに見える万太郎岳が次のピークとなる。

その左側を見れば、水上から沼田、渋川と利根川沿いに人々の生活圏が見えている。

谷川岳肩の小屋付近は最高の快晴の天気で、気温が上がってきているようだ。

今日はウインナーも持ってきている。

カップ麺用の湯を沸かすついでにウインナーを投入し、一緒に茹でてしまう。

湯が沸いたのを確認して、まずはウインナーを別のカップに移して、残りのお湯はカップヌードルに注ぐ。

こうしておけば、3分待っている間にウインナーで腹ごしらえができるのだ。

そして待ちに待ったカレーヌードルを食べた。

 

一面雪景色の銀世界で食べる食事はカップ麺であっても最高に美味い。

せっかくだから新雪を溶かして湯を沸かしたいと思って、僕はコーヒーを挿れることにした。

近くの綺麗な雪を取って、コッヘルに詰めてゆく。溶けるとボリュームが減ってゆくため、何度か雪を足した。

 

山で飲むコーヒーは格別だ。

スーパーで売っている安価な折りたたみのドリップ・コーヒーが何倍にも美味しさを増す。コーヒー豆の出枯らしをゴミとして持ち帰ることになるが、僕はいつも持ってきている。

落ち着くだけでなく、気持ちが豊かになる。

しばらくの間、くつろいだ。

そして時刻は12:30。出発の時だ。

下山は天神平の脇のルートを降る予定だ。そのため標識の「天神尾根コース」の方向に向かう。

 

降り始めると明らかにこちらのルートは多くの人が往来する道であることが、整備された木道の様子から理解することができた。

 

整備された道は歩きのスピードが上がる。

すぐに「天神ザンゲ」という岩まで降りてきた。

眼下には天神平、そして奥には水上や沼田が見える。

 

ここからは木道が無くなり、左右に雪に埋もれた熊笹の原野が広がっていた。

右を向けは万太郎岳が見える。この山は力強い形をしている。

 

13時になる頃にはもう200mは降ったろうか。

このルートが南向きであることも手伝って、気温が上り、雪が溶けて泥と混じり、ぬかるんでいる。

岩と泥と雪、そしてその間を縫うように勢いよく雪解け水が走っている。まさしく悪路だ。山頂付近でやっと乾き始めていた登山靴が再び濡れてしまった。

夕方になり気温が下がる前に下山してしまいたい。

 

下山開始からおよそ1時間。1.8km下ったところで二俣避難小屋に達した。

 

もうほとんど下山道の雪は溶けて岩と泥の間にアイゼンを突き刺して歩いていたので、一度外してしまおうかとも思ったが、ここから先は天神平に向かって北側の日陰の道をひたすらトラバースすることになるから、再び雪道になることは確実だ。アイゼンはまだ付けたままにしておく。

案の定、天神平までの道のりは暗い日陰の雪道で、一気に気温とモチベーションが下がった。

木道に積もった雪は一度溶けてから再び凍り付き、歩行の邪魔をする。登り返しもいくらかあった。

 

しかしルートが北向きに変わった時、左目の視界に入ってきた谷川岳の美しさは、雪道の面倒を払拭する力があった。

 

13:40、天神平を目前にして、一つの標識が目の前に現れた。

「土合(田尻尾根コース)3.6km」とある。これだ。

これが天神平のロープウェイに並行するように走る登山道だ。

 

僕は左折して、このルートを選んだ。

今までの氷まじりの雪道と違い、ここは新雪のため地面が緩く、スリッピーだ。

天神平から谷川岳のように踏み固められておらず、下が極めて不安定だ。

 

おまけに雪の下には枯れ葉が積もっているらしく、アイゼンが枯れ葉の層に刺さり、雪ごと持ち上げてしまうから、一歩一歩が非常に重かった。

 

そのため時たま膝から下を前に振って、キックするようにして雪と枯れ葉を振り払う必要があった。

ただ、僕よりも前に一人が先行しているようで、一人分の足跡があり、トレースすることはできる。

この登山道もなかなか急峻だ。その分、標高を下げるのに時間はかからない。

スピーディに下山をこなしてゆくと、どんどん雪が無くなっていき、地面が露出してきた。ほぼ枯れ葉しかなくなったところでアイゼンを外した。

 

しかし、雪がなくなって安心するのは性急すぎた。

枯れ葉の下にある泥は今まで登ってきた山のどこよりも滑りやすい特徴のある土だった。

僕は何度も滑り転びそうにながら、恐る恐る下山を続けた。

気づくと、いつの間にか上にはロープウェイが往来しているのが見えた。

人が乗っている時もあるが、向こうは眼下の樹海に人がいるとは思わないだろう。

少しすると急勾配の泥道を下り終えたようだ。目の前にT字路が見えて、正しいルートを示すピンク色のテープが見えた。

 

そこから先は渓流沿いの砂利道だった。真上をロープウェイが通っている。

ここからはひたすらロープウェイの駅まで降るだけだ。

 

14:30に登山道の終点に到着した。下山スタートから2時間というのは、思ったよりも早かった。

気が付くと、僕は雪の世界からは程遠い晩秋の暖かな午後を歩いていた。まるで那須の家の近くを散歩しているような錯覚に陥った。

 

それから10分後に駐車場に着くと、僕の車以外には誰もいなかった。 

 

無事に下山した。

僕は汗と雪解け水で濡れた衣類と登山靴を脱いで、ウエット・ティッシュで体を拭いてから着替えた。

15時にエンジンに火を入れて、携帯を繋いだ。

iPhone 12 miniのバッテリーは25%まで減っていた。これでは先が思いやられる。

僕はまずは風呂に入ろうと思い、早速近くの日帰り温泉を探した。

水上は温泉地であるため観光客用の豪勢な風呂が多いが、僕はあえて町営の温泉を探した。

地元民が湯質の良い風呂に入っていることは疑いがないし、きっと値段もリーズナブルだろう。

発見した。水上町営温泉「三峰の湯」だ。

ここから車で30分かかるが、ちょうど帰りの方向なので都合が良い。とは言いつつ、谷川岳から北に車で行くルートは存在しないため、いずれにしても南下が唯一の行先なのだが。

三峰の湯はプレハブのような見た目の建物だった。建物に金をかけていないところが、間違いなく良い温泉であることを伝えている。

 

入湯料は町民以外の一般客で400円と、やはり安かった。

中に入ると、室内はあまり広くないが、奥に露天風呂があるのがわかった。

二人の老人が内湯の湯船に浸かっていた。会話を聞いていると間違いなく地元民だ。

僕は体を流してその内湯に加わった。

湯はかなり熱い。だが、冷え切った体をじわじわと溶かしてくれるようで、最高の気分だった。

そして、肌に絡まる滑りのある湯は上質だ。肌がすべすべになる。

しかし、5分もすると、その湯の熱さが尋常でないことがわかってきた。45℃はあるのではないだろうか。

僕はたまらず湯船から出ると、体が赤くなり始めていた。そのまま露天風呂に向かった。

外気に触れると、水上の山中の冷え冷えとした夕刻の冷気が体に心地良かった。

僕はしばらく湯の外に座して、裏に広がる紅葉の森林を眺めていた。向かって左側となる西からは斜陽の暖かな日差しが森を貫き、そして木々を橙色に染めていた。

露天風呂に入ると、お湯は冷気で冷やされてか、比較的ぬるかった。

これはちょうど良い。この温かさであれば長く入っていられる。体を芯から温めるにはこれは助かる。

湯から上がる頃には16:30になり、また数人の地元の老人たちが入ってきた。会話を聞いていると、ここで各々顔合わせするのが日課のようだ。

僕は着替え終わると自動販売機でジュースを買おうとしたが、釣り銭切れということで、番頭さんに100円を10円玉に両替してもらった。

それからレモンの炭酸飲料を飲み干してから、車に向かった。

帰り道のドライブは夕日に染まった国道17号線を利根川沿いに南下する。

登山を終えたドライブほど良いものはない。

胸中は達成感と充実感に満ち、心は澄み渡り、あらゆる雑念が雲散霧消した、完全に無垢な状態だ。

自宅まで下道を使った4時間のドライブは、とても楽しいものだった。

 

(おわり)